月読命は思いのほか冷たい瞳でスサノオを見下ろすと、彼の顔を踏みつけた!


「何故戻って来た?神の名を汚す愚弟め…。」


それを確認した天照大神は透達に声をかけてきた。


「手間をかけたな、人間と妖よ…。創造神の許可と月読命を呼び寄せるのに時間が必要じゃったのだ。
…さぁ弟君よ、これでそなたの顔を見るのも最後となる。」


天照大神は彼にそう告げると、上に掲げた腕を横に開き、漆黒の闇が広がる大穴を作り上げた。


「神の命は永遠…、そう申したな?ならばその罪、永久の闇にて償うがいい!」


「行くぞ愚弟!貴様はどうあがこうと私には勝てない、姉として永久に弟の罪を責めてくれよう。…では姉上、参ります。」


『クソォォオオオいずれいずれ必ずや復活をー』


スサノオは胸に突き刺さった槍を握りながら断末魔の叫びを上げると、月読命と共に漆黒の闇の中へと姿を消していった!

まるで吸い込まれるように去ってゆくスサノオと、閉ざされた闇の空間を見つめた透は、呆然としたまま刀から手を離した。


「これで…人間達の未来は…残された…のか?」


『…そういうことだ、俺様も仇を討てた…礼を言うぞ坊主。』


酒呑童子は透の肩に手をかけてニヤリと笑った。