透は自分が呼ばれてるとは気づかなかったが、月読からニヤニヤとした顔で教えられて沙綺の方を見た。


「ごめん、聞いてなかった。」


「すまんけどビール取ってくれって言ったんだよ。」

沙綺はからかうような口調で再び同じ事を言った。いつもなら小言を言って出し渋るはずの忍だったが、中身が透だったためアッサリとビールを出してきた。

いきなり2缶も渡された沙綺は口をポカンと開けて透を見た。


「一体どうしたんだよ?いつもならギャーギャーうるせえのに…。」


「そうかな?いつも何も言って無いと思うけど?」


透は普段の自分のイメージで話していたので少し噛み合っていなかった。