「君も病み上がりで大変そうだねえ。」


幹矢が見つめる前でエプロンを着けていた透は、仕方ないといった様子で首を振った。


「この家の男達は忍には勝てんからな。」


月読は意地悪そうに笑うとミルクを飲み干したコップを流しに置いた。


そこに沙綺と彩音もやってきてテレビをつけるとソファーに腰を下ろした。


「それにしても暑いなー。ビールが旨くて飲み過ぎちまうぜ!
…ん?忍、暇そうだなビール取ってくれよ。」


沙綺はソファー越しに台所の方を見ると、丁度そこにいた透に声をかけた。
…当然沙綺達は透が忍に変化してるとは考えていなかった。