それから命の後を進んだ一行は、海が見える場所へ辿り着いた。

そこから見えるのは水平線と、海からそびえ立つ大きな岩…。
しめ縄が二つの岩を結んで風に揺れている。


「あれが…。」


「…ええ、彼が言ったのは恐らくあの岩だと思うわ。皆も感じるでしょ?下から沸き上がるような霊気を…。」


透は命の言葉に改めてハッとした。

余りに強大な霊気に当てられ続けていたため感覚が狂っていたのだ!


「確かに!この場所はハンパねぇ!!龍脈が解放してるようだぜ!」


沙綺も同じように驚いた。


「…こんな場所で下手な事すれば大災害を招く事になるわね…。」


忍は龍脈の恐ろしさを良く知っているため、スサノオがどの様にして天岩戸を開くつもりなのか、想像もつかずに青ざめた。


「そうね、まるで地雷原にいるような心境よ…。
あまり長居はしない方がいいわ。」


「そうみたいですね。場所の下見も出来ましたし、決戦まで近づかない方がいいでしょう。」


透は軽いめまいを覚えて頭を振りながらそう言った。

普通の人には何の影響もないだろう。しかし霊気を肌で感じれる退魔士達には、かなりのプレッシャーとなっていたのだ。