透は目を見開いて驚いた。

「はぁ?何で忍に変わる必要があるんだ?」


透の反応に対して忍は指を振って「甘いわねー。」と小馬鹿にしたように笑った。


「アンタの変化は能力までコピー出来るんでしょ?じゃあ私になれば家事も万能じゃない。
代わりにご飯作っといて。よろしく!」


そう言って忍は透の手を取ると自分の肩に置いた。


「…わかったよ…どうせ断りきれないんだろ。」

透は諦めて能力を使った。そして忍と同じ姿になると少し低くなった視界に戸惑っていた。


「よし、完璧ね!じゃあすぐ帰るからよろしく。」


忍は一つ頷くと財布を持って玄関へと歩きだした。
その背中に向けて力無く手を振ると、透は食事の支度に取り掛かった。