何代もの守護者によって護り続けた三種の神器。

退魔士達の命がけの戦い。

それらを無にして神器を渡せという酒呑童子…。

例え彼の声を皆に聞かせても理解しうる者は居ないだろう…。


『無駄だと?そんなのは貴様等人間が勝手に決めた大儀だろうが!
ハナから神相手に護り切れると考えてたなら、おめでたい奴等だぜ!!』


(酒呑童子…貴様!)


透はギリッと奥歯をかみしめて怒りに拳を震わせた!


『いいか、今から言う事を良く聞け!
スサノオに神器を渡して天岩戸を開かせろ。
…坊主は奴に続いて中に入れ…、これはテメーにしか出来ねぇから覚悟しろ!!奴を現世へ帰さないように足止めするんだ。』


(何故だ!!スサノオは神界に行って天照大神を説得するつもりなんだぞ!足止めする必要なんか無い!)


『そこが間違いなんだ。
奴は天照から必ず逃げ出そうとするだろう。
貴様は命を懸けて天照に力を貸すんだ…。いいな?時がくれば俺様の言葉の意味が分かる。
仲間の命が惜しいなら黙っておく事だ。…貴様の体に宿った妖の魂を信じろ…。』


そう言ったきり、酒呑童子は再び意識の底へと沈んでいった…。


「おいっ!まだ話は終わってないぞ!」