「我はこの先にある夫婦岩の位置にて待つ。朝日が昇る前に来い。
…お前達の様子は四天王に見張らせている、逃げるようなら…わかるな?」


それだけ告げるとニヤリと笑い、闇に溶けるようにスサノオは姿を消してしまった。

その瞬間明らかに解る雰囲気の変化に、透は肩の力を抜く事が出来た。


「まるで…周りの音すら凍り付くような存在感…それでも多分俺にしか霊圧をぶつけてないんだろうな…。」


逃げるのはやはり無理、あれだけハッキリと言うのだから間違いは無いだろう。
四天王からの監視…それは容赦ない攻撃を意味する。下手な行動は無駄な血を流すだけだ。


(最後に言った夫婦岩…?何の事だ?)


地理に詳しくない透は御影にその事を聞いてみることにした。

当然全員に今の事件も伝えるつもりで…。


世界の破滅の足音は確実に近付いている。

透は月をキッと睨みつけると部屋を後にした。