「え!?神界に行けば創造神のイザナギとイザナミが居るんじゃないんですか!?」


思わず透は大きなリアクションで聞き返した。

自分が考えていた神界とは天国の様な所で、神と魂が光の下に混在しているイメージだった。

しかし命は首を横に振ると、少し違うみたいね…と言葉を濁した。


「私も以前偶然知り合った土地神から聞いた話だから、それ以上は詳しく無いんだけどね。
創造神に会うためには天照の許しがいるみたいよ。
…そのためには天岩戸を開かなければいけない。でも…。」


「でも…何ですか？命さんには珍しく歯切れの悪い答えですね。」


命は軽く頭を振って気を取り直すと、次ははっきりと答えを告げた。


「創造神の居る空間への侵入は、例え他の神であろうと禁止されているらしいわ…天照によってね。」


「それならスサノオは放っておいても問題無いって事ですか!?天照大神には勝ち目がないでしょう!!」


「それははっきりとは答えられないわ。…でもね、天照はとても聡明な神なの。
禁止されていても天岩戸を開いたなら理由くらいは聞くはずよ？
彼も天照を説得する気でいるはず…。
そうなれば天照が違反者として彼を処罰するかどうかが鍵になるわ。」


透は黙って今までの命の話を頭の中で整理し始めた。

一体どうなっているのか…。
天照大神とスサノオは何を思っているのか…と。