翌日、早朝から訪れた幹矢によって忍と月読も顔や頭に負った怪我を癒された。
二人は命に別状もなく意識もハッキリしていたので速やかに治療に応じた。


当然の事だが透が完治してる姿を見て、医師や看護士達は悲鳴を上げて驚いた!

全治数ヶ月かの怪我を負った男性が昨夜見た容態から豹変していたのでは誰でも驚く。
幹矢は一同を率いて質問攻めにあう前に、そそくさと退院手続きを済ませて病院を後にした。


「ふぅ、危ない所だった…色々聞かれても困るしね。
皆、バタバタして済まない。」


一人だけ解ったそぶりの幹矢を見て、一同は顔を見合わせた。

一番理解してないのは騒ぎの張本人である透だった。

包帯ぐるぐる巻きな上、両手両足にギプスを着けたままミイラ男の様に歩いていた。


「あの〜…俺ってこんなに元気でしたっけ?」


透はどこも痛くないのに、どう見ても重傷な自分の姿に違和感があった。

「なっはっは!気にしない気にしない!君はすっかり元気だよ?そのギプスは取ってしまわないとね!」


幹矢は明らかに何かを隠してる様子で暑そうに扇子を開いた。