ベッドに掴まるようにして立ち上がった幹矢は透の体を見て驚いた!


「傷が全て消えてる!?こんな短時間で完治したのか!?」


先程まで肋骨が折れていた影響で呼吸器を付けていても苦しそうだった透の寝息が、今では安らかな物に変わっていた…。


「…流石は日本三大妖怪の1人だな鬼の王…。透の意識がない今あれだけの霊力を使えば命に関わる。
僕は都合のいいエネルギータンクだったってわけか。」


幹矢は額の汗を拭うと、窓を開けて少しでも夜風に当たろうと窓辺に立った。


「明日はきっと先生達も驚くだろうね。まさか完治してるとは思わないだろう?
明日は月読と忍を治療して帰るとするか。」


幹矢はしばらく夜風に吹かれて涼んだ後、窓を閉めた。

そして透の顔を見ると、おやすみと一言呟いて病室を後にした。


「…それにしても疲れたぁ…。」