幹矢に声をかけられた琴子はゴホゴホと咳をしながら幹矢の方に振り向いた。


「ゴホッゴホッ…すみません若。今日は埃っぽいですね…なかなか終わらなくて。」


そんな琴子に苦笑いをしながら幹矢は言った。


「当たり前じゃないか、風上に向かって掃いたら全部戻ってくるだろう?一回手を止めてごらん。」


「え?あ?はい!」


幹矢に言われて手を止めた琴子は、ピタリと止んだ砂埃に感動したように目を輝かせた。


「凄いです!さすが若!何でもご存じなのですね!」


「なっはっはっは!そうだろう?」


(な…なんの漫才だこれ?どっちにツッコんだらいいかわかんないぜ…。)

沙綺と透は呆れた顔で二人を見ていた。