沙綺はリビングに明かりをつけると暗くなった外を見てカーテンをしめた。


「落ち込んだって仕方ねえ、いくら涙を流したって御館様は帰っちゃこないんだ。
俺達にはまだまだやらなきゃならない事がある。」


カーテンを閉めた姿勢のまま呟く沙綺に、涙で顔をぐちゃぐちゃにした彩音が叫んだ。


「ヒグッ、御館様が死んだんだよ!?沙綺ちゃん何でそんなに普通なのさ!!ひどいよぉ!!」


忍は辛そうな表情で抱きついて泣いている彩音の頭を撫でていた。


そんな彩音の言葉に何も言い返さなかった沙綺だったが、透は知っていた…。
誰よりも悲しんでいるのは白蓮を親代わりと思っていた沙綺だということを。

そして、必ず守ると誓ったのに守れなかった自分に対して怒っている事も…。