「四天王!?妖ではないなら一体誰の事……。
まさか…。」


命は思いついた自分の考えを、あり得ないと考え直して頭を振った。

妖怪よりも上位の霊体となれば八百万(やおろず)の神達しか居ない。


しかし、この男ならばやりかねない。

男の正体を知る命は背筋をゾクリと震わせて彼を見つめた。


「ほう、察しがいいな…。
お前が考えた通り、四天王は八百万の神の中でも二神一対の者達だ。
…呼び寄せるまでかなりの時間を使ってしまったが仕方ない、鵺達は良くやったと褒めてやろう。」


余程喜んでいるのか主は珍しく饒舌だった。

その姿が逆に命を不安にさせている事に彼は気付かなかった。