それから二時間が過ぎた辺りから妖力の低い順に、鬼達が思い思いの場所でいびきを立て始めた。

『なんだぁもう酔い潰れてる奴が居るのか情けねえ』


酒呑童子もそう叫んでいるものの、目は既にすわっていて眠そうにあくびを繰り返していた。


「葉明殿、後少しで全ての鬼が酔い潰れます。」

酒を取りに戻った素振りで頼光がコソッと耳打ちしていった。

酒はまだある、毒酒とはいえ味は神の酒だけあって美味いのだろう、鬼達の飲む速度が落ちる事は無かった。


(確かに凄い威力だな…鬼すら酔わせる酒、人間が飲むものでは無いようだ。)


葉明は未だ残ってる鬼達に酒をつぎ回りながら様子を見ていった。