それからどれくらい歩いただろう。
夜は時間と距離感が曖昧になる。

ガタゴトと貢ぎ物を載せた荷台の音だけがやたらと大きく聞こえる…。


既に鬼達のテリトリーに入っているため、一同は口を閉じて黙々と目的地へ向かって歩いた。

すると木の隙間からだんだんと明かりが漏れてくるのが見え、そこにつくと古い神社に群れている鬼達の姿があった。


彼らはじっと押し黙ったまま葉明達が来るのを待っていたように、こちらをジッと睨み付けていた。


『よく来たな人間よ…約束通りお頭に会わせてやる。こっちに来い。』


鬼の中の一体が手招きしながら葉明達を呼んだ。

その誘いに一同は目を合わせると、努めて冷静さを保ったまま群の中央まで進んでいった。