頼光の背後…いや、見渡す限りでもかなりの数の光る目に一同は囲まれていたのだ!


距離も大きさもバラバラだったが、縦に切れ込みがある真っ赤な目は誰が見ても人間や動物の物では無かった…。


「な…いつの間に…!!」

葉明達は背中を合わせるように寄り合うと、堅く握りしめた拳に汗をにじませた。

…その時である。

腹の底に響くような太い声で鬼の一体が話し出したのだ。


『お頭の名を語る貴様等は誰だ?』


その言葉に乾いた唇を舐めた葉明が、声を上げて答えた。


「俺達は高名な酒呑童子様に貢ぎ物をしにやってきた村人です!」


『貢ぎ物だと?嘘を付くな人間!鬼に貢ぐ理由などあるはずがないわ!!』