「…何があった葉明…?お前が自ら志願するなど、天地がひっくり返ったとしてもありえん…。」


「う…。そ、そんな事ないさ!俺だってたまには民のために働こうとだな…。」


「……………。」


やたらと冷めた瞳で見つめる晴明にタジタジになった葉明は、素直に謝って理由を話した。

最初はやっぱりなといった様子で呆れていた晴明だったが、頼光が立てた計画に大蛇を退治したスサノオと共通する物を見いだし、その策が今の時点では最良だと感じた。


「無駄に武力を用いて大勢の命を失うよりは良いかもしれんな…。
全ては葉明の交渉にかかっている。気を抜くなよ葉明?」


心配そうに念を押した晴明に向かって、真面目な顔をした葉明がゆっくりと頷いた。


「…正直自信ない。」


…場の空気が一瞬にして凍り付いた。