次に頼光は葉明の方を見て声をかけた。


「私達を鬼に村人と思い込ませて毒酒を献上して飲ませる。
大蛇すら酔わせる酒で泥酔した鬼を比較的安易に倒す計画です。
…そこで必要なのが交渉役です。
…しかし、生まれてこの方私達役人家系の者は堅い話し方しかできないので、葉明殿に砕けた話し方を教えていただきたいのです。」


それを聞いた葉明は驚いた顔で自分を指さした。


「へ?俺にか?…教えろって言われても学がない俺には上手く教えられねーよ!」


バタバタと慌てて手を振る葉明を見つめながら、道真は手を叩いた。


「なるほど、ならばこうしよう!…葉明、お前も共に行き交渉と護衛に当たれ。」


「い!?本気ですか右大臣様!?俺…いや、私には剣は扱えません!」


「お前には陰陽道があるではないか。
ここに居る者達は十分に腕前を知っておる。頼光達から見れば心強い助っ人であろう?」