『おめーがだらだらやってっからだ!!』


夕日の中で、金髪の男がニカッと笑った。


「……少しぐらい我慢してよ……」


あまりにも鮮やかにいつもの笑顔が浮かんでくるから、そんな自分に呆れて溜め息混じりにそう呟く。

つたう涙を拭って、大きく深呼吸をした。


『…お前の好きなように生きろ。』


いつか言われた言葉。

だんだんと世界が色を取り戻していく。

「…………えいっ!」


自分の頬を叩いて渇を入れると、勢いよく立ち上がる。

「…新総帥と衝突か…
……らしいけど…ね。」


一度だけ見た新総帥の顔。

気の強そうなその顔は、あの部長との衝突を納得させるのに十分だった。

もう一度、溜め息…


「あの人も…不器用そう…」