世界でも有数の『暗殺』企業。
その本社ビルの中で、小学校の保健室のような仕事。
どうしたって肩透かし。

でも、それが夢への一歩だと思うと、張り切らずにはいられなかった。


「待っててね…絶対にあなたの側に戻るんだから…」

まっすぐ前を見つめて、届かない言葉をそっと呟く。


後ろから肩をかすめて、白い鳥が飛んでいく。
髪が風に舞う。

それを指で直すと、夕日に別れを告げて背を向けた。