「……………シンタロウ…総帥?」


男の背中に声をかけると、男は振り返って目を見開いた。

よく見ると、あの人とはやっぱり違う…


男に手招きされて、戸惑いながらもゆっくりと近づく…

ずっと見られている…?

心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかというくらい、鼓動が早く鳴った。


黙ったままの男にますます心臓が早く鳴る。


(ここでサボってたの…怒られる?)


世界が止まったようだった。

風も何も感じられない…


顔を上げると男は笑っていて…

ワケもわからずサクラは笑い返した。