「愛子…。あたし好きな人出来たかもしれない…」


「そっかぁ。ソラ?」


「うん・・・」


昼休み、美咲は屋上で愛子に打ち明けた。


「普段はあいつは無口で無愛想だから誤解されやすいけど、根はまじめでホントはいい奴だもんね。美咲にはお似合いだと思う」


「でも・・・」


美咲は不安そうに顔をうつむける。


「でも?」


「あたしが恋愛感情とか持っちゃったら今の関係が崩れるのが怖い。もう、メールとかもできなくなっちゃうんじゃないかなぁ…」


そんな美咲に愛子はやさしく微笑んだ。


「美咲、いい?恋愛って自分からがんばろうって思わなきゃ何にも始まらないんだよ?待ってても、まあ美咲は可愛いから誰かが寄っては来るだろうけど、本当の恋はできないよ。ね、だからがんばろ?」


愛子の優しい言葉に美咲はうんと頷いた。


いままで自分から好きになったことがない美咲。


はじめての思いに戸惑うばかりだった。