「こういうこと」
そして鈴姫は俺を抱き締めてから家に向かったけど、振り返ってニヤリと笑って言った。
「紲、また明日ね」
その後すぐに、幸せそうな満面の笑みを浮かべて言う。
「あいしてる。なんてね」
そのまま家に入って行った。
俺はその場で呆然としていた。
キスを、してしまった……。
直後に、幸せ気分が俺を支配する。
「そ、奏真、奏真に報告!報告、していいのか!?……しちゃえ!!」
――俺は、幸せを手に入れた。
鈴の音をシャンシャン鳴らせて、背筋をピンと伸ばして歩く彼女。
『鈴姫』と出会って、本当の恋を知った。
喜びも苦しみも知った。
その先に待っていたのは、『幸せ』だった。
俺は、恋をして、幸せを手に入れた――。
end...