そんな心配ばかりしていたらいつの間にか放課後を知らせるチャイムが鳴ってしまった!!

ちょ、ま、放課後怖い、放課後怖い!!


「お前……あ」

「な、な、な、何!?」

「陽乃芽先輩、迎えに来てる」


……へ?


ドアのところを見ると、確かに鈴姫がいた。


「紲」

「……陽乃芽先輩……」

「……おいで!」


意を決したようにそう言った鈴姫は、両手を広げて俺をまっすぐ見つめる。

俺は……その体を抱きしめたい衝動に駆られて、彼女の胸に飛び込んだ。


「……うわぁ……。っつーかそれも本来女がするパターン……って、犬かよ紲」


後ろで奏真がそう言ってる声が聞こえて来た。