次の日には、それはそれは素晴らしいほどの早さで広まっていた。 「紲くん、昨日北校舎で愛河先輩と抱き合ってたって本当!?」 ぶっ!!!! 飲んでいたコーヒーをもれなく噴射した――。 「ひぁー!?ごめん、東遠くん!!」 ――奏真。 「は!?お前ら……はぁ!?」 焦る奏真……笑。 「みんな朝から直球だよね。10回くらいもう聞かれたし、誰が見てたか知らないけど、噂が回るの早いよね」