「現状がわかってないと、とりあえず不利だ。だから」


……奏真、こういう計算好きだよな……。


「お前から陽乃芽先輩に近付け」


人を動かす計算。


「……近付く?」

「弟だか子供だかまぁなんでもいい。それを利用して陽乃芽先輩に接触する時間を増やせ」


……ちょ、それは……。


「情報収集は俺も裏から取り入れる」


裏ってなんだよ!?

どっからなんだよ!?


「だから出来るだけ陽乃芽先輩の周りの友人関係を調べろ。ついでに仲深めとけ」


……奏真の言うことに、俺は少しの間フリーズしていた。


そしてすぐに実行されたのであった。