……だから奏真は、俺に協力して鈴姫と会わそうとした……?


「でも、なんで好きになったのに避けるんだ?」


それだけが納得いかない。


「恥ずかしい、か、それとも……まぁ、『思わず』っつーのは一番面倒くさいもんだよな。意識しすぎて、それを悟られないように勝手に体が動くんじゃねーのか?」


……意識、しすぎる……?


「でも大好きな大好きな奏真くんには避けるようなことしないけど……」

「キモい。そこが同性と異性の違いだろ?あくまでも男と女だ。誰がどんなに平等に接しようとしたところで、本能には勝てねぇよ。所詮動物の一種だし」


……そうか、それが普通なんだ。


異性を意識する事自体が、もう、本能なんだ……。