「やっふー 梨紗ちゃん」

「………げ」

奏君?!

あたしは急いで扉を閉めようとする

「ちょいちょい 待ってよ 梨紗ちゃん ストップ」

閉まるぎりぎりのところでドアの隙間に足を挟む

「な…何しに来たのよ?」

帰れよぉ

中に入れたら翔にまじでキレられる

インターホンで確認してからでればよかった………

不注意な自分

「いいからいいからっ」

にっこり笑う奏君

ちょっと………

よくないってば

全然よくない

てか

ちゃっかり入ってこようとしないでください

警察呼びますよ

呼べる状況じゃないけど

「おーい かっけるー」

「ちょ…ちょっとぉ」

呼ぶなよ!!

声だすな!!

「翔 いるでしょ?てかここ翔の家だしね」

「………。」

そうだけど

「翔なら……出掛けてるよ」

お願いだから帰ってよ~~

あがってきちゃうじゃんかぁ

「じゃあなおさらお邪魔します」

ドアノブを無理やり引っ張る奏君

負けじと引っ張るあたし

ぎゃ……逆効果だった

「あ 翔だ」

「へっ?…ってきゃっ」

あたしが気を抜いたとたん 一気に扉を引く奏君

は…はめられた