「まぁ いろいろあったんだよ 森山ちゃんが転校してくる前に」

「……ふーん」

あえて聞かない

「今は聞かないほうがいいと思う 親友として」

おしゃべりな由海が初めて口を濁した

よっぽどのことなんだぁと思う

あたしが知ってる3人の

あたしが知らない3人に

一体何があったんだろね?

「そういえば森山ちゃんに1ついい話があるの」

「何っ?」

「森山ちゃん お金必要なんだよね?」

「うーん 1ヶ月以内にいるの」

まぁ帰る家がないわけですから

せめて家賃を

「バイト先の店長にね 森山ちゃんの話したら雇ってくれるってぇ」

「ま……まじで?!」

「うんっ★すっごく優遇してくれるってよ」

由海ぃ~

ありがと

大好きっ

「何の店?」

「喫茶店みたいなとこっ」

「みたいな?」

「うん まぁ メイドカフェ」

「………。」

にゃんにゃん

古っ

ご主人様~

無理ぃ

てかメイドカフェって高校生雇うの?

由海さん

そんなとこでバイトしてたんだ

「あたしパス」

「ぇえ?!めっちゃ時給いいのにぃ」

「……無理」