「アラタ!お前痛いだろ!?」



「カンちゃん叩けないから代わりに、元の頭をだな」



そんなやり取りをしていたら、誰かがやって来た。可愛らしい女の子だ。



その女の子は、ぱっつんな前髪で、真っ黒の長いストレートヘアーだ。



私は、自分を上下見下ろしても負けているなと感じた。
真っ黒で、寝癖でぐしゃぐしゃになるから、誤魔化すために一つ結びをしていた。



「あら、どなたかしら?」



可愛らしい女の子は、そう言って上下見下ろして来た。



「わ私は……」



「柚那!なんでお前がここに?」



私の言葉は、アラタくんに遮られてしまった。



「会いたかったのよ!ですから、今日から、わたくし男子校に転入するんですの」



可愛らしい女の子は、おほほと手を口元に当て笑う。目を細め笑う彼女は、私から見ても綺麗で可愛かった。