ジャー・・・




勢いよく流れてる水


あたしはそれを見てるだけ





『節水に心がけましょう』



なんていうポスターが貼ってあるけど

そんなの無視してる




ジャー・・・





止まることなく流れていく水



あたしはなぜかそれを見ていたかった


理由はない



でも 今は何も考えたくない気分だった






「コラ!」



ポンッ



何かが頭に当たった


痛くなかったけど

いきなりで身体がビクッとした




「節水しろって書いてあるだろ?」



落ち着いている低くて

とても優しい声



そんな声と同時に

右脇からニュッと手が出てきて

キュッと蛇口を閉めた