山田とは圭介のこと



何も知らない先生は明るくあたしに聞く




できれば 圭介の名前は


今は 聞きたくない







「吉野?お前・・・」


「な・・なんです・・か?」


「・・・泣いてるのか?」





ビクッ



いきなり泣いてるってことを言われてビックリした



誰にも泣いてる姿


見られたくなかったから






どうしたんだって聞きながら

あたしに近づく先生



それにあたしは反対に


先生から離れてしまう・・・




「なんで逃げるんだよ?」


「なんでも・・・ありませんから」






グイッ



先生はあたしの腕を掴んでしゃがんだ



あたしを見上げてる先生



俯いてるあたしの視界にはどうやっても

先生の顔が入ってくる