「消さなきゃ……」

私は削除ボタンを押そうとした

その時、

「……水野…桃里さん…?」


私は咄嗟のことに
削除ボタンをおさずに
携帯を待ち受け画面に戻し
ポケットにしまった



振り向くと男の子が立っていた


その男の子は柏木とは
正反対なさわやかで
優しそうな男の子だった。

「あの…今ちょっと
 いいかな?前から
 水野さんと話して
 みたかったんだ。」

と、男の子は言った。


「あ、全然いいですよ!」

「本当?嬉しいな。
 俺、神崎 翔って
 言います。
 水野さんとタメだよ。」

え、、タメなんだ。

てっきり先輩だと思ってた。


「よろしくね。
 タメなら敬語いらないよ
 水野さんなんて
 呼ばなくていいよ。
 桃里でいいよ。」


だって水野さんて
他人ってかんじだもん。


「ぢゃあ俺も翔でいいよ」
「わかった、翔だね。」