廊下に倒れている戸丸君。



「大丈夫?」



私は思わず駆け寄った。



「大丈夫ですよ。」



と私にニコッと笑い、ズボンを叩きながら立ち上がった。



「市川さんも、感情をむき出しにする事があるんですね。」



戸丸君は隼人を挑発するかのように、言葉を口走った。



「何が言いたい。」



冷静を装う隼人。



「綾乃さんを信じる事ができないのなら、俺が綾乃さんを貰います。」



「信じていない訳ではない!」



隼人のいつもとは違う強い口調。



「ふっ。もしかしてヤキモチですか?」



相変わらず挑発的な口調の戸丸君。



「そうだ!悪いか!!」