懐かしい伊織くんの匂いを感じたとたんに
涙が溢れて
「バカでもなんでもいい……
伊織くんのそばにいたいよぉ…」
伊織くんの背中に腕を回して
きつく抱き合った
「オレ、別居してるとは言え子持ちだよ?」
私はコクコクうなずいて
「わかってる」
「茜音と伊音には一生かけて責任取るんだ
オレと一緒になるなら
風羽ちゃんの肩にも責任はのし掛かるよ」
「わかってる…………」
「……わかってんの?
わかって言ってんの?
だったら本当に風羽ちゃんはバカだなぁ
こんな男じゃなく………
他にもっといい男がいるのにね………」
いい男なんかじゃなくていい
どんな責任を背負っててもいい
私は伊織くん
あなたと一生………
ずっと一緒に歩んで行きたい