空羽のお願いは



『退院したら、1日だけ彼氏になって欲しい』



てっちゃんは
思い出し笑いをして



「1日だけって言わないで

ずっとずっと空羽の彼氏でいたいって思ったけど

残念だよなぁ、空羽はオレが好きじゃなかった」



「えっ?」


私は驚いて


「だって空羽が彼氏になって欲しいって頼んだんでしょう?」



「だから~」って てっちゃんは苦笑いして



「空羽は死ぬかと思ったんだよ

一度もまともに恋愛しないまま
死にたくないって思ったんだと


でも、今、好きな男はいない

だけど元気なうちに恋愛しないと自分はすぐ死ぬかもしれない」



空羽の意図が読めてきた



「1番、身近なオレに白羽の矢がたったわけだ

てっちゃんに恋心はないけど

こんなこと頼めるの てっちゃんしかいないしって

恋心はないって すっげぇ傷ついたけど

他の男に頼むよりは ましだなって

自分の気持ち隠して

1日彼氏をしたわけだ」