その夜は 珍しい事が重なった
普段はあまり参加しない
ゼミの飲み会に参加した事
大学の友達と教授と
居酒屋で飲んで
次 カラオケ行く?なんて話しながら居酒屋を出ると
曇った夜空が赤く
重く垂れ込めた雲からは
はらり はらりと
粉雪が舞い降りた
居酒屋の前の歩道で
首を反らして空を見上げると
「風羽ちゃん
カラオケ行くっしょ?」
友達が声をかけて来て
「……いいや。ごめん、帰る」
「なんで?行こう?」
明日、伊織くんに連絡を取ろうと思ってた私は
お家に帰って作戦を練りたかったし
「ごめん。また今度」
私は友達に手を振って
雪が舞い降りる街を
歩き始めた