最低だよ……私





――私も伊織もあなたもフェアだと思うの――




茜音さんの言葉を思い出す



フェア?



茜音さんの気持ちを私に話したから?




そんなわけ ないじゃない



茜音さんと私がフェアになるはずないじゃない




二人には伊音くんがいる




私が割り込む隙なんてない




――ごめん。風羽ちゃん
終わりにしよう――



伊織くんが言った



この言葉が全てだよ




もう終わったんだ




伊織くんの中に



私はもういない





どんなに想っても





伊織くんは




あの優しい手は




ほどかれたまま




もう繋がることはない