大学を出て バス停の前に立つ 時折、吹く風は 刺すように冷たく 指先が少し痛かった 足元には ザ―――――ガサガサと音をたてて 乾いた茶色の落ち葉が 風にさらわれて行く 見上げた11月の空は どこまでも抜けるような 薄い水色だった バスを待つ私の後ろを 楽しそうにカップルが通りすぎ 二人の間にある 繋がれた手を 私は無意識に ずっと目で追っていた