私たちを包む
なんとも言えない空気
「伊織」
茜音さんが
「伊音連れてゲームコーナーで乗り物にでも乗せて来て」
「え…………?」
戸惑う伊織くんを そっちのけで
「伊音。にぃにと遊んでおいで」
伊音くんは
パァァァァ…と笑顔で
「にぃに~、はやくいこっ」
伊織くんの手をひいて
エスカレーターの方へ歩き出す
「……えっ……?あ……
伊音……………
茜音……?」
情けないくらい戸惑った声を出して伊音くんに引き摺られるように
一度 振り返り不安そうな表情を伊織くんは私に向けた
「いってらっしゃ~い」
茜音さんは明るく遠ざかる二人に手を振って
私に向き直る
茜音さんと目が合うと
ドキンッ
心臓が飛び跳ねた
「さて、空羽ちゃん
チョコレートパフェは好き?」
あまり予想してなかった質問に
「………えっ?」と返すと
「チョコレートパフェ
今、スッゴク食べたいの私」
茜音さんは微笑んで
「行きましょ」
私の手を掴み 歩き出した