「――――――――……」 息を飲み 彼は私を見つめた お互いに視線を逸らせずに 見つめ合う 少しの間 でも それは永遠のように長く ショッピングモールに流れるBGM 通りすぎていく人々の声 周りの音が全て遠ざかり 伊織くんと見つめ合う 数十メートルの距離だけが 世界から切り離され 伊織くんと私 世界でたった二人きりになった 堪えきれずに 視線を逸らしたのは私の方