伊織くんと別れて
寂しくて 寂しくて
どうにか しないと死んでしまうように思った
心の穴を埋めたのは
このグレーの煙だった
口にくわえて吸うと苦い 苦い煙の味が口に広がって
この苦い感じ
私の今の気持ちと似てる
そう思った
指に挟んだタバコの火が
じわじわ 吸い口に近づいていくのを ぼんやり見つめると
私は迷子になったんだ
伊織くんが好きなまま
真っ暗闇に置いてきぼりにされて
伊織くんは愛しい人の元へ
行ってしまった
出口が見つけられない私は
永遠に
彼の匂いだけに すがって
暗闇を
真っ暗闇を
さまよう