離したくない



離しちゃいけない気がする




ぎゅって伊織くんに しがみつくと




「……風羽ちゃんはバカだな」




…………え?



グッ…………


「……ひゃ……」


伊織くんが私の肩を強くつかんで



私の上に覆い被さる


……ドキドキドキドキドキドキ



心臓が高鳴る



青い闇の中



伊織くんの目が



哀しく光る



………なんで?



なんで そんなに哀しいの?



伊織くん



何が そんなに哀しいの?




伊織くんの顔が近づく



とっさに目をつぶると



お互いの吐息がかかる距離



唇が重なる寸前



伊織くんは止まる




ギシッ…………


そのまま私の上から退いて



ベッドに座り



伊織くんは頭を抱えた




「………伊織くん……?」



しばらくの間があいて




「ごめん……タバコ吸ってくるわ

風羽ちゃん……先に寝てて…」