甘えたくなる



伊織くんの声に




ドキドキ一気に心臓が高鳴って




「甘えてよ……伊織くん」




「風羽ちゃん……」



「私、伊織くんに甘えて欲しい」




青い薄闇の中



伊織くんの目を見つめる




「私は伊織くんが好きだから
出来る事は何でもしたい……

伊織くんは今、大変なんだから
甘えてよ……………」




そう言うと
一気に恥ずかしくなって



カァァァァァァァァと
顔が熱くなった




恥ずかしい事 言ったかなぁ




私がうつむくと




「だめだよ、きっとオレ風羽ちゃん傷つけるから」




伊織くんが
私の髪を優しく撫でる




「……どうして?
大丈夫だよ?私、伊織くんなら………」



どうして


そこまで
伊織くんは慎重なんだろう?




それだけ
私を大切にしてくれてるって事?