いつも みたいに



シングルベッド



二人並んで横になる



お別れするわけじゃないのに



何だか
不安で寂しい気持ちになった




おかしいよね



不安なのは
伊織くんのはずなのに




なんで私が不安なの?




私は隣にいる伊織くんに
ぎゅうって抱きついた




「……風羽ちゃん?」




「このまま…
くっついてて…いい?」




伊織くんの胸に顔をうずめて訊いた




しばらくの沈黙のあと




「だめ」



伊織くんが短く答えた




「あ……ごめんね。そうだよね、伊織くん疲れてるよね」



ズキン………って胸が痛んで腕を緩めると




「違うよ。風羽ちゃんに甘えたくなるから」



「え………?」




「風羽ちゃんに甘えちゃうと
だめだからさ…………」



伊織くんは
私の髪を一筋つかんで



「……ごめんな」って呟いた