優しく伊織くんの指が
私の髪をすいていく


「そばにいてくれて
すごく嬉しい……」


いつもより少し低い声が
暗闇にとけていく



「伊織くん……
私ね、伊織くんに触れたい
伊織くんに触れて欲しい」



すごく緊張して


声が震えてカッコ悪かった



ドキドキして
伊織くんの顔が見れない



じっと伊織くんのTシャツの胸元を見つめてた




「………後悔しない?」



「え?」




「それで本当に後悔しない?」



伊織くんの低い声に


彼の目を見た



――――ドキン



怖いくらい
私を真っ直ぐ見つめる



だけど
その目は少し怯えてるようにも見えた



「…後悔?」



「風羽ちゃんは後悔しない?
傷つかない?」



「しないよ。
伊織くんになら………
伊織くんだったら……
嬉しいもん……………」