「電気、消すよ」
先にベッドに入ってた私に
伊織くんは言った
パチン
スイッチの音がすると
目の前に闇が広がる
ギシッて
伊織くんがベッドに入って
「おやすみ風羽ちゃん」
いつもなら
私も おやすみって言って
一人きり眠れない夜を過ごす
「あのね伊織くん」
私が口を開くと
伊織くんも いつもと違う展開に気がついた
「どうした?」
仰向けだった身体を私の方に向けたから
私も横向きになって伊織くんを見た
暗闇に目が慣れて
すぐ近くにある
伊織くんの薄い唇にドキドキした
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