「はい」
伊織くんが私のグラスにワインを注ぐ
「ありがとう………」
私もワインボトルを持って伊織くんのグラスにワインを注ぐ
今日は少し覚悟を決めて
ここに来た
グラスに口をつける
伊織くんの顔を見つめる
私は伊織くんに触れたい
伊織くんが好きだから
本当に大丈夫かは
自分でも わからないけど
伊織くんに抱きしめて欲しい
キスがしたいよ
「風羽ちゃん?」
私の視線に気がついて
伊織くんは不思議そうな表情をした
「どうかした?」
パッと慌てて視線を逸らして
「ううん」って首を振って
冷えたワインに口をつけた