「美味しい。ありがとう風羽ちゃん」



何を作っても
美味しいと言ってくれる優しい伊織くん



「昨日は本当にごめんね」



私が謝ると



「何が?オレは楽しかったよ」



クルクル
フォークを回してパスタを巻き付けて



「私が寝ちゃった後てっちゃん何か余計な事を言わなかった?」



実はこれが1番 心配だった



てっちゃん まさか 私が欲求不満だとか伊織くんに言わなかったかな…




「別に何も。世間話して、すぐに寝たよ?」



本当に大丈夫だったかな



不安で伊織くんを見つめるけど



特に表情に変化はない



………大丈夫だったんだ



良かったぁ~



ほっと胸を撫で下ろすと



「風羽ちゃん、今日は帰る?帰るならオレ飲まないけど」



「あっ。ううん。泊まって行く。だからお酒飲んでいいよ」


「そっか」



伊織くんは立ち上がって



キッチンに向かい冷蔵庫を開け



「白ワインでいい?」と私に訊いた