伊織くんもハッとして
「あっ!そう言う意味じゃなくて…………」
少し困ったように
「人を好きになるのに はっきりと ここ が好きなんて あるのかな?」
笑って言った
「オレは気がついたら
空羽ちゃんの事を
考えてるようになった。
いつ空羽ちゃんを好きになったかなんてわからないし
恋って理由もなく
気がついたら落ちてるものでしょう?」
伊織くんの答えは
とても しっくり きた
[可愛い]とか[優しい]とか
月並みな事を言われるよりも
私の心に響いた
「……ごめん。質問の答えになってないよな?」
「……ううん。…嬉しいです」
恥ずかしくなって
うつむくと
ギュッ
伊織くんが運転しながら
私の手を握りしめた